船舶免許を国家試験免除で取得する際に気を付けるべきポイントとは?
船舶免許を取得する方法には、国家試験を受験する方法と、国家試験免除で取得する方法があります。「国家試験免除」と聞くと、簡単に免許が取れそうだと考える人もいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、国家試験免除で船舶免許取得を目指すメリット・デメリット、気を付けるべきポイントについて解説します。
そもそも国家試験免除とは?
船舶免許取得の国家試験には、学科試験と実技試験があります。「国家試験免除」とは、この国会試験を受けなくても、教習所に通い、法令で定められたカリキュラムを修了し、審査に合格することで免許が取得できるシステムです。自動車学校に通うことで自動車免許が取得できるのと同じですね。
船舶の国家試験免除は、国土交通省の認定を受けた教習所に限られています。国家試験がない代わりに修了試験等がありますが、学科・実技の講習後、時間をおかずに修了審査を受けることができます。
国家試験が免除される教習所で船舶免許取得を目指すメリット・デメリット
国家試験が免除され、教習所で船舶免許を取得するには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。教習所における学科講習と実技講習について詳しく解説します。
国家試験免除で船舶免許を取得する場合の学科講習
国家試験免除の場合の学科講習は、法律で定められた時間数の教習を教員から受ける必要があります。学科講習に必要な時間は、取得する免許の種類によって異なりますが、特殊小型船舶免許で6時間、2級小型船舶免許で12時間、1級小型船舶免許で24時間の学科講習が必須となるようです。
指定時間数の学科講習が修了したら、国家試験と同様の学科試験を受け、合格する必要があります。国家試験免除といっても、試験等がまったくないわけではないので注意しましょう。
問題は特殊小型船舶免許が40問。2級小型船舶免許が50問。1級小型船舶免許が64問のようです。
国家試験免除で船舶免許を取得する場合の実技講習
学科同様に、法律で定められた時間数の実技講習を教員が行います。実技講習に必要な時間は、特殊小型船舶免許で1時間30分、2級小型船舶免許で2時間、1級小型船舶免許で4時間となっています。学科同様に、講習修了後の審査に合格する必要があるようです。
国家試験免除で船舶免許を取得するメリット・デメリット
教習所での学科講習は、上記のように指定された時間数の受講が必要です。充分な学習時間があるため、きちんと受講すればしっかり知識を得ることができるでしょう。そのうえで、時間をおかずに修了試験を受けることができます。
しかし、人によっては教習の時間が長いと感じることもあるようです。個人差はありますが、2~3時間の学習量で足りる内容のため、時間がもったいないと感じることはデメリットとなり得ます。
教習所での実技講習においては、国家試験を受ける場合もその内容、時間は変わりません。しかし国家試験免除の教習所で実技講習を受ける場合は、教習と同じボートかつ同じ場所で試験を受けることができます。また、教習終了からすぐに試験を受けられるため、操船の感覚を忘れないうちに受験できるという大きなメリットがあります。
船舶免許を国家試験免除で取得する際に気を付けるべきポイント
学科、実技ともに法令で定められた時間数の教習を受け、試験に合格すれば船舶免許が手に入る国家試験免除ですが、気を付けなければならない点もあるようです。
試験に落ちる場合もある
講習後に行われる試験は、しっかり学習していなければ不合格となることももちろんあります。修了試験に落ちてしまった場合でも、補習等を受けることで再度試験を受けることができます。
しかし、この補習は無料だったり、追加費用がかかってしまったりと教習所によって異なるため、事前によく調べておきましょう。国家試験免除といっても、試験がまったくないわけではなく、国家試験を受ける場合と同じ内容の学習が必要であることを前提に、しっかり学ぶことが大切です。
国土交通省認定の教習所に通う必要がある
どこの教習所でも国家試験免除で船舶免許が取得できるというわけではなく、国土交通省に認定された「国土交通省登録小型船舶教習所」でなければ、国家試験免除で免許を取ることはできません。そのため、教習所を選ぶ際には、国土交通省に認定を受けた教習所であるかどうかを確認するようにしましょう。
国家試験免除で船舶免許を取得する方法とそのメリット・デメリット、気を付けるポイントについて紹介しました。国家試験を受ける、受けないにかかわらず、免許取得のためにはしっかりと勉強する必要がありますが、「最短で免許を取りたい」「来月までに確実に免許が必要」という人には、教習所に通って国家試験免除で免許を取る方法がおすすめです。ぜひ、通いやすい教習所を見つけて、憧れの船舶免許を手に入れましょう。